輝く夜 百田尚樹

短編小説が全5話の1時間もあればざっと読めてしまう量

それでも、一つ一つの話には、人間の感情がいかに弱く、どうしようもなく打ちのめされる5人の主人公が登場する。

一人目の恵子は、7年勤めた会社をクリスマスにクビを宣告、さらに同時期、弟の会社経営が落ち込み、今までの貯金を全て弟へ振込んだばかり、さらに婚約すると思われた彼氏を同僚に寝取られる。

そんな恵子の前に、「3日間何も食べていません」とアスファルトに書いていたホームレスが目に入る。一度は躊躇ったが、稽古はハンバーガーと熱いミルクをテイクアウトしホームレスに与える。

自分が辛い状況にあってもひとを少しでも助けたい。読んでいた私は恵子のこの優しい気持ちに感動した。

実はこのホームレスがこの後の重要な人物になるのだが、それは是非本を手に取って読んでほしい。どんなに辛くても人を助けたいという気持ちと行動は、誰かが見ていて、そして何かの形であなたに返ってくる。

素敵な時間を過ごせました。

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